北海道南西沖地震(2)

そろそろ夜が明け始めると、周りが見えてくる。
良く見ると、裏の山肌は何箇所も土砂崩れが起きている。。。(避難した割には安全とはいえず)

幾度と無く、余震が続く。
相変わらずラジオでは、非常事態を告げているが、ひとまず車をグランドへ置き徒歩で民宿へ戻ってみる。
港の敷地近くだった民宿、1階に漁船や車が突っ込んでいるものの、柱は残っているので建物自体は倒壊してはいない。(民宿のおばさんは放心状態)
2階の部屋へ行き、着替えなどを車に詰め込む。

問題は、すぐ隣の「洋々荘」だ、完全に土砂に埋まっていて、懸命の救助活動が続いている。
あと数十メーターでこの民宿も危なかった。。。
その手前には、油やガスのタンクがあるのだ。

防災無線(死んではいなかった)が炊き出しをするので役場前に集まれと伝えている。
ここ、奥尻は自衛隊のレーダーがあり、駐屯しているのである。その自衛隊の炊き出し車両が役場前にいる。
おにぎりを分けてもらう。
いったいいつ帰れるのか?
それにしても暑い! 津波の影響で民宿の近くにはツブ貝やウニなどが打ち上げられていて異臭を放つ。
昨日の車で行けなかった方を見に行く、段差がひどい20センチ以上だ、あのまま無理に進んでいたら、スタックして津波にあっていたかもしれない。。。
幸い、この付近は津波は遅かったらしい?(避難して津波は見ていない)

又、防災無線が何かを言っている、どうも午後2時頃になるが、海上保安の巡視船がやって来て、江差まで載せてくれるという。
時間までに港に集まれと。。。(情報はラジオ頼み、島全体はいったいどうなっているのか分かるのは後になってから)

だいぶ時間が有るが、ぞろぞろと人は港へ集まりだした。観光客が多いようだ、中には、帰れると思ってかニコニコ顔の人もいるが大部分はかなり疲れているようだ。

近くに轟音が鳴り響いてきた、上空には、自衛隊の大型ヘリが何機も待機している。

つづく(たぶん)