親父の昔話φ(.. )その3

思い出したので、メモ

たぶん40年くらい前?

北見方面へ出稼ぎに行ったらしい。
大手の下請けか孫請け、定時制高校卒業したばかりのメンバーも数人。
道路改良工事で、宿舎に寝泊まりすることになり。
父はいろいろと段取りしていたら、地元の業者が飛び込みで営業に来た。
「食料の仕入れが決まっていなかったら、うちの会社から取って欲しい。」と
身なりもきちんとした、礼儀正しい人だったとか。
すでにおおかた段取りしていたのだが、じゃあ「せっかくだからおたくからも仕入れます。」と言うことになったらしい。
次の日、若いやつが差し入れをかなり持ってきた(ビール等)

ある日、緑石を施工するため路肩の付近をバリケードで規制して作業していたところ、
競走馬(ばんえい競馬?)を運搬中のトラックが、バリケードに突っ込んで脱輪、馬も驚いて逃げそうになった。
トラックから降りてきた連中(酒臭かった)が、親父達に言いがかりを付け始めた。
工事してる方が悪い!邪魔だ!馬がけがをしたらどうしてくれる!

若い元請の職員は、タジタジ・・・・。
親父も困ったな~、と思案していると、どこからか黒塗りの高級車が・・・。
「どうした?親父さん。」
見ると、いつもの宿舎にものを納めている業者の人だった。
親父が説明するとその人は、馬のトラック運転手達の所へ・・・。
なにやら話をし始める、そのうちにトラックは引き上げてしまったらしい。
親父達や元請業者も「???」
「親父さん、何か困ったことがあったらここに連絡くれ。」と帰ったとか。

いったいどういう知り合い?と質問攻めに遭ったが、「飯場に来る業者だ」
実際それしか知らないので、そう言った。

更にある日、仕事が一段落。
定時制高校卒業して間もない連中が、数人で町に飲みに出かける計画があったとか。
親父は、「田舎もんはやめとけ!ぼったくられたらどうする?」
親父は早々に寝床に着いた。

しかし、若い連中暇をもてあまし、給料もいくらかは言ったので、町に飲みに行ってしまったのでした。
夜中、下請けの社長に起こされた親父。「なんだ!夜中に。」
「実は、若い奴らが、飲みに行って・・・。金が払えなくなり、金を持ってこなければ返さない。と電話が、親父何とかしてくれ!頼むそこに行ってくれないか・・・。」
「なんで俺が?なして行ったんだあいつら」「・・・。」
「そんな飲み屋、やくざかなんかだろ!」

まてよ、困ったら連絡よこせと言っていた、あの人に電話すれば何とかならないか?
と思いついた親父。

夜も遅いが、藁にもすがる思いで名刺の電話へ・・・。

「どうした?親父さん」
「実は、これこれしかじか・・・。」と説明すると。
「ん、なんだここに居る若い連中は、親父さんのとこの人間か?」
「親父は(゜Д゜)」
「まあいい、親父さんこっちへ来ないか?」

親父は車で送ってもらい、急いで町の飲み屋へ
着いて、扉を開けるとそこには、数人に囲まれて正座する若者達が・・・。
「ああ、親父さんこっちこっち」とVIPルームへ
若者達「(゜Д゜)」
親父「この度は、うちの若い連中が大変お世話になりました。田舎もんなので何も知らない、何とか解放してやってくれないか。」
「おい!もう良いから、若い連中に帰って貰え。」
若者達「(゜Д゜)」
「親父さん、まあ一緒に飲もうや。」「へい!」
と言うわけで、一緒に高い酒を飲んで帰ってきたとか。

最初に飯場に営業に来た「地元業者」が、その飲み屋のオーナーで、有名な人だった。
そんなことも知らず親父はつきあっていたらしい。
気前の良い普通の人だった、行事では差し入れが有ったり。

「おかげで、俺たちの現場は何事も無く順調に終わることが出来た。たいした良かった」
「昔の話さ・・・。」